旧 日本医学会「遺伝子・健康・社会」検討委員会「母体血を用いた出生前遺伝学的検査」施設認定・登録部会から返事が来ました。

表題のように、返事が届きました。

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 この書類、1月20日付なのに、届いたのが3月4日なんです。このタイムラグは何だったのでしょう?どなたか、3月2日にアップした私のブログ記事を読んで、慌てて送ってきたのでしょうか?

 何を隠そう、3月4日は私の誕生日だったんです。何でわざわざその日に送ってくるかねえ。とんだバースデイ・プレゼントです。この前はクリスマスだったし、わざとですか?

 それでこの内容なんですけど、一読して気付くことは、もうこの部会は解散したから新たに議論の余地はなくて、これまでの慣習に則って粛々と進めているだけですよ、これ以上何か言ってきても無駄ですよ、ということを言っているんですね。手をつけないまま放っておいた仕事は、細かい議論は置いておいて、機械的に処理してしまえということですね。あとは知らんと。私たちの考えとしては、この施設認定・登録はいろいろと問題があるので、しっかりと問題提起し、議論しつつより良いものを目指していきたいのに、冷たいものです。

 ということで、世の中は(特に遺伝医学の分野は)日進月歩で進んでいるにもかかわらず、7年もの長きにわたってNIPTに手を出さず我慢してきた私たちが、議論の場さえ奪われてしまっている現状は、どうしたものでしょうか。

 世間には、出生前検査・診断に関してちゃんとした知識も技術もなく(そもそも妊婦を診察した経験すらなく)、単に採血だけを行なって、ガッポガッポ稼いでいるNIPT専門クリニックが増加している一方で、出生前検査・診断を主業務にして、しっかりとした遺伝カウンセリング体制を整えていながら、NIPTを行うことができない状態で、よくここまでやってきたものだと自分でも思います。

 今回届いた文書に、反論を送っても無駄だということはよく理解しました。何よりも、送り主が、『旧 日本医学会「遺伝子・健康・社会」検討委員会「母体血を用いた出生前遺伝学的検査」施設認定・登録部会』となっていて、ご丁寧にも“旧”がつけられているところからして、これ以上審査しませんという姿勢を前面に押し出しているのです。しかし、このままただ大人しく受け入れて終わるのもしゃくに触りますので、ささやかな抵抗として、このブログに公開して、反論しておこうと思います。

 文書への反論は、次の記事として出したいと思います。