日本産婦人科学会が、NIPT実施施設の改定案について
パブリックコメントを募集しています。

ニュースなどで耳にしておられる方も多いかと思いますが、胎児の出生前検査の一つである、NIPTの実施に関する指針について、日本産科婦人科学会が改定案を出しました。

当院ではこれまで旧来の指針に基づいて、この検査を扱うことが困難でしたが、検査実施の認定を得るべく昨年7月に日本産科婦人科学会に申請書を送付しました。しかしながら、その後施設認定の委員会は開催されず、当院からの申請は受理とも不受理とも連絡のないまま放置され、お蔵入りになっています。

そんな中、今回改定案が示されたのですが、この改定案では、これまでの大規模施設に加え、小規模施設でも検査の実施が可能になります。しかし、その施設基準として、分娩を扱う施設に限定されるということになっています。

これまで学会は、検査実施のためには遺伝カウンセリングが重要であることを常に強調してきました。そして、遺伝カウンセリングがきちんと行える体制を整えることが必要としてきました。しかし今回の改定では、分娩を扱う施設であれば、医師は数時間の簡単な講習を受けただけで検査を扱うことが可能となり、分娩を扱っていない施設では、臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーが複数名在籍して日常的に胎児の検査を行ってきた専門施設であっても、分娩を扱っていないという一点だけでNIPTを行うことができません。

この度、この改正案について、学会がパブリックコメントを募集しています。皆様にはぜひ、今回の指針改定案の問題点を指摘するコメントを送っていただきたいと思います。

この件に関しましての解説や、院長の考えなどは、『FMC東京 院長室』ブログにまとめてあります。ぜひ目を通していただけますと、ありがたく存じます。

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