染色体異常

出生前検査・診断

胎児診断はいつ行われ、その結果はどう伝えられているのか – 『22週問題』について考える

先月から今月にかけて、出生前検査・診断に関連した話題を取り扱う複数の学会が、WEB開催されていて、日程も重なり、視聴するだけで忙しいという日々になっています。いろいろと気になる話題があるのですが、そのなかの一つを取り上げたいと思います。  ...
人工妊娠中絶

胎児に重い病気が見つかった時、私たちにできることは何か – ヨミドクター記事を読んで考えたこと

つい先日、読売新聞の医療・健康・介護サイト・yomiDr.(ヨミドクター)に、以下の記事が掲載されたことをYahooニュースで知りました。この記事、結構反響があったようで、twitterでも言及されているのを見かけましたし、コメント欄にもた...
出生前検査・診断

NT肥厚に関する論文が、掲載されました。

あいかわらず胎児に「むくみ」があると指摘されたという相談がよく来る中、「海外のデータばかりでなく、自分たちのデータもちゃんと示して説明に使えるようにしたい。」と思っていたわけですが、学会発表したものをようやくまとめることができ、論文として投...
出生前検査・診断

検査をきちんと行うことは大事ですというお話

本日書く内容は、NIPTの話ではありません。検査を受ける/受けないは、自由意志で決定すべきことであり、それぞれの人が自分にとって必要なのか否かを判断できるようにサポートするところに、カウンセリングの役割があります。時に、NIPTの現場(“遺...
NIPT

全染色体の異数性を対象とするNIPTの問題点について

最近、学会に認定されていないNIPT実施施設(いわゆる『無認可施設』)で検査を受けた結果、21番、18番、13番以外の染色体のトリソミー陽性との結果が出たという相談が、連続してありました。この場合、少し難しい問題があるのですが、こういう結果...
NIPT

NIPTと超音波検査は、互いに補完し合う検査として存在する。

先日、新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言が解除されましたが、東京などでは7週間に及んだこの期間に、人々の働き方は大きく変化しました。私たち医療従事者は、日常診療など臨床業務は維持しましたが、学術集会や研究会などの学術活動は、人が集...
染色体異常

着床前診断について議論してきた人たちの倫理観に果たして一貫性があるのか?(その2)

その1を出してから、だいぶ時間が経ってしまいました。 新型コロナのことで頭がいっぱいになり、書きかけの原稿が止まっていたのですが、出しておかなければと思い、なんとか仕上げて出すことにしました。   日本産科婦人科学会「着床前診断」に関する見...
染色体異常

着床前診断について議論してきた人たちの倫理観に果たして一貫性があるのか?(その1)

先日、すごく残念なことがありまして、書き残さずにはいられないのです。 それは何かというと、着床前診断の指針の問題です。  着床前診断(preimplantation genetic testing: PGT)には3種類あり、それぞれ、以下の...
NIPT

学会の認定を受けずにNIPTを行なっている医療機関が、X,Y染色体の数的異常の検査を行うことは大きな問題

このところちょっと学会の裏事情的な話題ばかりでしたが、それは一段落として、もう少し実際の診療に関わる話をしていきたいと思います。 現在、学会認可の施設でのNIPT検査は、3種類のトリソミーのみに限定されています。NIPTコンソーシアムからは...
NIPT

第55回日本周産期・新生児医学会学術集会 シンポジウム4「新型出生前診断(NIPT)が、優生思想に流れないために」 噛み合わない議論

2019年7月13日から15日の3日間にわたって、長野県松本市で開かれた、第55回日本周産期・新生児医学会学術集会に参加してきました。表題のシンポジウムがあり、流石にこのことに言及しないわけにはいかないでしょう。 本当のところ、今回の学会に...