人工妊娠中絶

NIPT

NIPT実施施設は増加傾向だが、出生前検査・診断の提供体制は順調に整いつつあるのか? その2

前回記事から続きます。 遺伝カウンセリングと「理不尽な意見」  さて、東京女子医大の山本俊至氏は、実際にNIPTに関わる遺伝カウンセリングに携わる中で、検査を希望するカップルから発せられる“理不尽な”意見を聞くことがあると言います。  それ...
NIPT

X,Y染色体の数の問題については、もっと情報提供が必要ではないだろうか:認証施設でX,Y染色体の検査ができない理由は何なのかについての考察(その2)

前回の続きです。  X,Y染色体を対象としたNIPTを認証施設ではやってはいけないことになっている問題のメインは、性別を知るということではなく、数の違いの問題の扱いの難しさです。  本来はこれが大事な点のはずなんですが、非認証医療施設では、...
人工妊娠中絶

羊水検査や絨毛検査のリスクについての認識は、いつになったら変わるのか(前編)

つい先日、久しぶりに出生前検査認証制度運営委員会のウェブサイトにアクセスしたのですが、1月に一般の方向けの情報が公開されるなど徐々に内容が充実してきているようですね。  実は今年3月に、令和4年度出生前検査認証制度等広報啓発事業(厚生労働省...
NIPT

『NIPT等の出生前検査に関する情報提供及び施設(医療機関・検査分析機関)認証の指針』を読む5 いろいろと気になる内容 

『指針を読む』シリーズを続けてきましたが、正直のところ真面目に取り組めば取り組むほど、指針を読み込めば読み込むほど、問題点が見えてきて、本当にこれでいいのか、この国の出生前検査は良い方向に向かっているのかと考えると、悩ましい限りです。   ...
NIPT

『NIPT等の出生前検査に関する情報提供及び施設(医療機関・検査分析機関)認証の指針』を読む4 事前に何を伝えるべきか

いろいろと忙しくしていてブログ更新ができていないうちに、NIPT施設認証の申請が開始されましたね。まずは、基幹施設と検査分析機関の認証からです。申請期間は4月22日までで、6月上旬に審査結果が公表される予定です。連携施設の申請受付はそれから...
NIPT

『NIPT等の出生前検査に関する情報提供及び施設(医療機関・検査分析機関)認証の指針』を読む3 『基本的な考え方』を見直す

今回のテーマが、すごく重要な部分になると考えています。なにしろ、出生前の検査についての『基本的な考え方』、根本のところに切り込む作業になるからです。    出生前検査・診断について常々言われることは、それが「倫理的な問題」につながるというこ...
人工妊娠中絶

日本における妊娠中絶は、“チョイス”の結果なのか?

初めにお断りしておきますが、この記事は11月中旬に書いていたもので、途中でいろいろと忙しくなってしまい、仕上げられないまま月日が過ぎてしまいました。気づけばすでに年末。しかし、せっかく途中まで書いていたので、なんとか仕上げて公開しようと考え...
人工妊娠中絶

ポーランドにおける中絶禁止法に関連した妊婦死亡のニュース。決して対岸の火事ではない。

先日目にしたニュースです。妊娠中絶が厳しく制限されているポーランドで、医師が中絶を躊躇した結果、妊婦が死亡したことをきっかけに、中絶要件の厳格化に抗議するデモがワルシャワで勃発しました。 胎児が死ぬまで「医療行為を拒否された」。妊婦死亡で中...
18トリソミー

「羊水検査で確定しないと中絶できません。」という方針、矛盾しているんじゃないですか?

出生前検査・診断の現場で、妊婦さんが直面する最も大きな問題は、『検査陽性』という結果を受け取った時に、妊娠を継続して出産を目指すのか、中絶を選択するのかの判断・選択でしょう。とくに、NIPTの場合、その結果は確定診断ではないけれど、検査精度...
NIPT

なぜ決まったルートを外れると中絶を扱ってくれないのか。

このブログで何度も取り上げている、NIPTの問題。厚生労働省の専門家会議が今年3月に終了し、半年が経過したのですが、その後の動きはどうなっているのでしょうか。厚労省のホームページをみると、5月24日に報告書が公開されています。NIPTについ...