NIPT

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専門的知識を必要とする検査を、専門家ではない医師が扱うべきではない。

現在議論になっている、NIPT(母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査)の扱い。常に話題の中心となっているのは、遺伝カウンセリング体制の充実の必要性であるように見受けられます。もちろんこれは大事なことなのですが、それ以前に、検査結果がどのよ...
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今年一年を振り返って(前半)

今年の当院の診療は本日が最終日です。 私はわりといつも淡々と日々を送っていて、節目節目に何か総括するとか、将来計画を立てるとかといった作業がどちらかと言えば苦手な方なのですが、今年はさすがに特別な年だったように思うので、来年に向けてここで振...
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NIPTに関する議論の場で、出生前検査の全体像や実情が見えているのだろうか。

12月16日水曜日に、NIPT等の出生前検査に関する専門委員会(第3回)が開催されました。ZOOMによるライブ配信があったのですが、私自身は診療業務の合間に見る準備をしていたものの、実際に視聴することができたのは、会議最終盤のもうほとんど「...
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NIPT等の出生前検査に関する専門委員会(第2回)が開催されました。ー妊婦という隠れたマイノリティの存在について

表題の会議が、20日金曜日に開催されました。  このところ学会などもあっていろいろと忙しくなっており、リアルタイムで会議の様子を視聴することは叶わなかったのですが、資料が公開されていますので、ざっと目を通してみました。感じたことを整理してお...
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非認定施設でのNIPTには注意が必要:これは一種の詐欺商売でしょう。

当院では、院内の連絡会を少し拡大して、一部院外の人たちにも参加していただき、毎週勉強会や症例検討会を行っています。そんな中、よくあるトリソミー以外の染色体数的異常がNIPTで検出されたケースについての考え方と、この検査の扱いが話題になりまし...
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業界内外にある分断の壁をどう切り崩すか

先日、日本における出生前診断・胎児診療の総本山と誰もが認める施設から、セカンドオピニオンの依頼がきました。当院は、そういう施設なんです。 産婦人科医でも、分野が同じ(周産期医療、妊婦診療を専門としている)人や、学会などに参加したり、論文を読...
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NIPT等の出生前検査に関する専門委員会(第1回)が開催されました。

今週の水曜日(2020年10月28日)に、厚生労働省が、第1回NIPT等の出生前検査に関する専門委員会を開催しました。以下リンク NIPT等の出生前検査に関する専門委員会  この専門委員会は、厚労省の厚生科学審議会科学技術部会の下に設置され...
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アメリカにおける胎児染色体異常スクリーニングの新ガイドラインとわが国の現状

ACOG(米国産科婦人科学会:正確には「学会」というより日本の「産婦人科医会」に近いか)とSMFM(米国の母体・胎児学会:よく米国周産期学会と訳されている)が共同で出している、『胎児染色体異常スクリーニングのガイドライン』が、更新されました...
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出生前診断に臨む際の適切な遺伝カウンセリングって、なんだろう。 – 某大学病院(学会認定NIPT実施施設)での遺伝カウンセリングの話を聞いて考えた。

以前から何度も問題にしていることですが、当院ではNIPTを扱うことができません。学会の指針に基づいた、実施施設としての認定が得られないからです。 産婦人科専門医かつ臨床遺伝専門医:2名 小児科医かつ臨床遺伝専門医:1名 認定遺伝カウンセラー...
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遺伝カウンセリングが大事という意見に感じる違和感

今回は、遺伝カウンセリングに関する誤解について取り上げます。  以下の記事の中にも書きましたが、遺伝カウンセリングの中で『親になる責任』について理解してもらうということが新聞記事に書かれていました。 NIPTの調査等に関するワーキンググルー...